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FREE YOURSELF

First part

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JOURNAL JAN. 23. 2025

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10代からファッションモデルとして第一線で活躍し、その魅力とエネルギーで多くのファ ンを魅了している有末麻祐子さん。モデル業にとどまらず、自身のアパレルブランドを手掛け、ファッション界に新しい風を吹き込んでいます。そんな彼女の素顔に迫るインタビューをお届けします。

——改めてモデルを始めたきっかけについて教えてください。

「中学2年のとき、埼玉の実家から渋谷109に遊びに行った際、偶然『Hana*chu→』というローティーン向け雑誌の街頭アンケートに参加したことがきっかけです。最初はプロのモデルではなく、読者モデルとして、通学バッグの中身を紹介したり、モノクロページに出ていました。

そして、中学3 年生になったある日、当時の編集長さんと副編集長さんから"モデルの撮影に来てみない?"と声をかけてもらったんです。それがモデルという仕事を意識する転機になりました」

——その後、 高校1年で若手の登竜門である 『Seventeen』モデルのオーディションに見事、合格。プロモデルとしての本格的な第一歩を踏み出していく。

「 『Seventeen』モデルになったとはいえ、先輩モデルたちの圧倒的な存在感にただただ圧倒されてしまい、先輩たちのポージングを立って静かに見ている感じでしたね(笑)。でもその中で、少しずつ自分なりのスタイルを見つけていきました」

——約5年間『Seventeen』の専属モデルを務めた後、10代から憧れていた『ViVi』モデルという夢を叶えていく。

「実は初めて『ViVi』の編集部へ顔見せに行ったときは、ダメだったんです。でも、どうしても諦めきれなくて、もう一度編集部に。そこでやっとチャンスをもらうことができました。夢を叶えるためには多少のことで諦めるのではなく、その夢を強く思い続けることも大切だなとその時に学びました」

——自分の道を自ら切り開いて、 華やかな10代・20代を過ごしてきた有末さん。 とはいえ、すべてが順風満帆だったわけではなく、『ViVi』時代は理想と現実のギャップに悩むことも多かったのだとか。

「当時はヘルシーなカジュアルスタイルからフェミニンなファッションへの移行時期。正直、自分のポジションに迷うこともありました。

そんなとき支えになったのは、憧れのモデル梨花さんや長谷川潤さんのエッセイ本。先輩たちも同じような経験をしていることを知り、たくさんの勇気をもらいました。負けないで前を向いて少しでも進んでいくこと。あの頃の葛藤があったからこそ、今の自分があると思っています」

——そして、ファッションモデルとしてのキャリアにおいて、二度目の転機が訪れたのは22歳の頃だった。

「当時のマネージャーさんから『JJ』を薦められたんです。『ViVi』も大好きだったけれど、『JJ』は母も読んでいた歴史ある雑誌。編集長から直々にお声をかけていただいたこともあって、半年間悩みました。そして、22歳になるタイミングで『ViVi』から『JJ』の専属モデルへ。

これから年齢を重ねていく上で、今までと違うテイストを持つ大人の雑誌にチャレンジして、また新しい発見をしたいと思ったことが一番の決め手でした。いま振り返ると、この決断は正解だったと思いますし、いいご縁とタイミングに恵まれていたと感じています」

——その後、さまざまな雑誌やカタログで活躍を続け、モデル歴18年目を迎える今。モデルという仕事についてどう向き合っているのか、訪ねたときに返ってきたのは、彼女らしいこんな言葉だった。

「私が何より大切にしているのは、自分一人で成し遂げるのではなく、みんなと一緒にチームになって素敵なページを作っていくこと。そのためには常に新しいことに挑戦し、自分をアップデートしていく必要がありますよね。

太った? 痩せた?って、見た目が評価されることは嫌だなと思うこともありますが、結局、私にはこれしかできないし、これが私の仕事なんですよね」と笑う。そして、こう続けた。
「モデルというと、どうしても読者と距離感が生まれがちですが、私は読者モデル出身ということもあって、読者の方に親近感を持ってもらえるような存在でありたいと思っているんです」

——その言葉通り、彼女のファッションには自然体な魅力が漂っている。

「私にとって、ファッションは自分らしさを表現するもの。だからこそ、派手さを求めるのではなく、リラックスした心地よさを感じるスタイルが多いですね。運動を兼ねてたくさん歩くから、足もとはスニーカーがお約束。結婚して5年目になる旦那さんと洋服をシェアすることもあります。 夫婦でファッションを楽しむことができるのも、幸せですよね!

ただ、華やかなパーティーやイベントに参加する際は、普段とは違う特別感を出したくて、8cmのヒールを履いてビシッとキメたりもします。大切なのはメリハリ。例えば、お寿司屋さんに行くときはローファーやきれいめのコートでコンサバに仕上げたり。TPOに合わせたコーディネートを常に心がけています」

——最後に、今回のコレクションで気になったアイテムを教えてもらった。

「2WAYで使えるニットがとても気に入りました。ボタンがついている方はカジュアルにも着こなせるのでデイリーでも活躍しそうだし、袖の透け感が繊細で洗練された大人の女性らしさを引き立ててくれそう。気分やシーンに合わせて印象を変えられる点も大きな魅力ですよね」