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宮城さんインタビュー前編

Mai’s Life Philosophy
宮城舞の人生観

First part

Mai’s Life Philosophy
宮城舞の人生観

First part

JOURNAL AUG. 19. 2024

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唯一無二のファッションセンスと自然体な美しさが多くの女性から支持を受ける宮城舞さ ん。モデルとして、ひとりの女性として、プライベートでは二児の母でもある彼女のバイ タリティとは。これまでの歩みを振り返ることで見えてきた、モデル宮城舞の今とこれか ら

——改めてモデルを始めたきっかけについて教えてください。

「高校時代に渋谷109前でスカウトされ、『Ranzuki』の読者モデルになったのがきっかけです。といっても、当時はプロのモデルでやっていこうなんて思っていなくて、同世代の仲間と撮影現場で会うことが楽しい。仕事というよりは、青春を謳歌しているような感覚でしたね」

——そんな宮城さんに転機が訪れたのは20歳の頃。モデルとして活躍し始めてから4年目の出来事だった。

「20歳になった時、『JELLY』の編集長から“うちの専属モデルにならない?”と声をかけていただいたんです。そのタイミングで事務所にも所属し、モデルとしての生活がスタートしました。
自分で選んだ道ではあるものの、毎回撮影は緊張の連続! というのも、それまでは自分でヘアもメイクもやっていたので、プロにヘアメイクしてもらい、スタイリストさんが用意してくれた服を身に纏う。もうすべてが初めての体験で。自分でもこんなにプレッシャーに弱かったっけ?と思うくらい、ガチガチでしたね(笑) 。それでも、現場に行くのが憂鬱になったことは一度もなくて。やっぱり、私はモデルという仕事が好きなんだなと改めて実感したんです」

——その後、『JELLY』を卒業し、『ViVi』へ。『CLASSY.』を経て、ママになってからは「VERY」とスター街道を突っ走ってきたように見える彼女だが「ここに来るまで、何度も壁にぶち当たっては頭を打ちつけてきました」と笑う。実は努力の人だ。

「洋服は子どもの頃から好きだったんですけど、高校1年生までは自分のファッションセンスに自信なんて1ミリももてませんでした。だから、おしゃれになりたい一心で、ファッション雑誌を読んで勉強して」

——悩み迷った時期を経て、いまのスタイルが確立されたのは『JELLY』の専属モデルになった頃。

「スタイリストさんが用意してくれた衣装の中に古着があって、衝撃を受けたんです。着倒したクタ感やロゴの剥がれ方、花柄もヴィンテージだと昔っぽいレトロなタッチがおしゃれに見える!そこからヴィンテージの虜に。20歳の頃は実年齢よりも大人びたい時期でもあったのでデニムにTシャツ、ヒールを履いたりもしましたが、その時代時代のトレンドを取り入れつつも、ベースはカジュアル。モデルを始めた頃から今もそのスタイルは変わっていません。

カジュアルすぎたらリップやジャケットを加えたり、靴できれいめな要素を取り入れる。逆にちょっと大人っぽすぎるなと思ったら、メガネをかけたり、髪の毛をアレンジしてラフにしたりしてバランスを取るように心がけています」

——程よい抜け感やバランスは、計算されたセンスによるもの。そんな宮城さんにとって、ファッションとは?

「一言で表現するなら、自分が一番好きなことかもしれないですね。コーデを考えたり、自分的にかわいいコーデを組んでそれを着て出かけるとテンションが上がりますし、かわいい洋服を見つけた時は何よりも欲しくなる!

用事がない日は1日中スウエットで過ごすこともありますが、寝る前に明日何着ていこう?と頭の中でコーディネートを組む。その“何着ていこう”が見つからない時はSNSでヒントを見つけて、コーディネートを考えるのが好きなんです。ピンタレストで関連動画をピンしたり、インスタグラムでおしゃれな人を見つけたら、フォローして、コーディネートをグループにまとめて保存。って、もう完全に趣味ですよね(笑)」

——結婚して母になり、選ぶ洋服にも変化が訪れたのだとか。

「子どもと出かける時は動きやすくて洗えるものがメイン。パンツを選ぶことが多くなりましたね。でも、できる限り“おしゃれなママ”でいたいからラクで動きやすい服でも、どうしたらおしゃれになれるかを常に考えています。

息子の授業参観には黒のTシャツにデニムを合わせて参加しました。髪を巻いて、ちょっと大ぶりのピアスをつけて、シンプルだけれど女性らしいスタイルに。保護者会なら何を着ていく?子どもと食事に出かけるなら?毎回、新しいお題を与えられたようでコーディネートを考えるのが楽しいんです」

——逆にひとりの女性として出かける日は、TPOに合わせて自分の好きな服を着る!という。

「赤リップを塗って、香水をつけて、ここぞとばかりに気合いを入れます。例えば、ちょっといいホテルでランチをするなら、スマホでお店の内装を調べたり。といっても、最近出かけたのは……、いつだろう?全然、出かけられていないんですけどね(笑)」

オシャレ欲を満たしてくれる赤リップと香水<私物紹介>

「ちゃんとお化粧するときは、濃いめのリップを。なかでも赤リップはおしゃれを楽しん でいる気がして、昔から大好き! たくさん持っています。やっぱり気分が上がりますよ ね。ディリー使いしているのはこの4本」



  • NARS パワーマット リップスティック 133
  • NARS パワーマット ハイインテンシティリップペンシル 182
  • メイベリン SPステイ マットインク 205
  • 韓国の人気コスメブランドTense(テンス) *番号不明

「気分をあげるアイテムとして、マストなのが香水。柑橘系な少し甘い匂いが好きです。 最近はちょっと甘い系、さっぱり系、メンズっぽい万人に受ける香りがするこの3本をその日の気分によって使い分けています」



  • <蓋が丸>バウムオーデコロンSYMPHONY OF TREES
  • <細長い形状>タンバリンズパフュームBOLD CITRUS
  • <蓋がコルク>オブヴィアスパフュームオードパルファン(ユヌヴェルヴェーヌ)

——では、仕事の日は思いっきりカジュアル?と思いきや、意外な答えが返ってきた。

「レイヤードをしたり、アクセをたくさんつけたり、上質なバッグやハイブランドの靴を履いて、思いっきりファッションを楽しむのが仕事の日!自分自身のモチベーションを上げて現場に向かいます。

例えば、OLさん向け雑誌の仕事であれば、シンプルで抜け感のあるコーディネートで行く。雑誌の撮影では各媒体のテイストによって切り替えています。そのほうがスタイリストさんや編集さんもイメージしやすいだろうし、仕事モードのスイッチが入る。これはモデルになった頃からずっと続けていることですね」

——彼女の言葉からはファッションを通じて日常を豊かにし、自己表現を楽しむ強いパーソナリティが伝わってくる。単なる服装選びを超えて、自分自身と向き合う時間でもあるのだろう。最後に今回着たAWコレクションで気になったアイテムを教えてもらった。

「『マロウブルー』はシンプルだけど、素材や細かいディテールが凝っていて新鮮。なかでもグレーのセットアップは普段の自分に一番近い気がしますね。ヘアメイク次第ではパーティーにも良さそうだし、セットアップにすれば子どもの保護者会にも着ていける。シャツが長め丈なのでバイカーパンツに合わせてもかわいいだろうなって。コーディネートがさっと頭に浮かびました。ボトムでは、ひざ下丈のハーフパンツが気になります。この夏、デニムのハーフパンツを買ったんですけど、サテン素材ならいつもと変化がつけられそう。古着のスウェットに合わせて、カジュアルにはずしたいですね」